CAFE 香庵 [koh-an]
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かなねこめがね
庵主はいくつもの色眼鏡でものごとを見ています。そこで仕入れた個人的に旬の話題をとれたて直送。ご自分の舌でよくお確かめの上お召し上がりください。

ご意見ご感想などいただけたら幸いです。
お返事は書けないかもしれませんが、
大切に読ませていただきます。
E-mail:cafekohan@aol.com
 
  2004-03-17  
  ゲイ・マリッジ!  
  今、ポートランドは花盛りです。
白から濃いピンクや紫までいろんな種類の桜や梅、桃、椿、木蓮、
その下には沈丁花やみごとに明るい黄色の連翹、さらに下には
西洋水仙やパンジーやヒヤシンスがいっせいに満開を迎えて、
街中に咲きこぼれています。
こんなにいろんな花がいっせいに満開を迎えるのは、ここでも
めずらしいことなんだそうです。
この花盛りは、住む人の喜びにそのまま応えているように見えます。

ポートランドを含めたオレゴン州モルトノマー郡は、3月3日、
全米で3番目に同性同士の結婚を認めた地方自治体になりました。
10年20年と連れ添ってきた女性同士、男性同士のたくさんの
カップルが晴れて結婚し、みんなに祝福される幸せ、友だちの
結婚を祝福する幸せをいっぱいに味わっています。

私の知人でも、2組のレズビアンカップルが先週結婚し、
みんなから祝福のシャワーを浴びています。
そのうち1組は、結婚式があまりにも急だったので、来年の
結婚記念日に改めてハワイにハネムーンに行き、都合のつく
家族や友人たちとともに祝賀パーティをするといい、私も招待してくれました。

彼女たちは50代前半なのですが、2人とも20歳の娘さんのように
生き生きして、喜びが全身から伝わってきます。
<幸せ>を絵に描くとしたら今のこの2人だよね~、って感じ。
その一人は、「まさか自分が生きているうちにこんな日が来るとは
思わなかった」と言っていましたが、もう一人は、「私は来ると
思ってたよ。カナダのことを考えれば」と言っていました。
そう、カナダでは、同性婚が認められているのです。

アメリカの結婚制度は日本と違っていて、私にもよくわかりませんが、
とりあえず、結婚許可は地方自治体が与えられるもののようです。
もっとも、連邦政府の法律と対立する場合は連邦政府の法が優先するし、
他の地方自治体では認められないのだそうです。

なので、今はブッシュが連邦政府レベルの法律を改定して
同性婚を認めないものにしたがっているといわれています。
それはすんごおく難しいそうですけど。
また、サンフランシスコ市などマルトノマー郡に先駆けて同性婚を
認めた地方自治体は、反対派が司法措置をとって、結婚許可を
差し止められました。
なので、今、3月17日現在は、マルトノマー郡が全米で唯一の
同性婚を許可する自治体です。ここでもいつ許可が差し止められるか
わからないので、みんな急いで結婚することになるんですけど。

私自身は異性愛者(異性を好きになる傾向が強い人)で、日本でも
アメリカでも現行の結婚制度が利用できますが、する気はまったく
ありません。
結婚という制度は、私にとっては、利用価値が低い、むしろ害が
大きい、と思っているためです。

でも、私にはその選択をする自由があります。
そしてその選択の自由は、同性同士のカップルにも、あるのが当たり前だと
私は思っています。いわば基本的人権の保証としてね。

同性をパートナーとして選ぶ人の中にも、結婚したい人もいれば
したくない人もいますが、いざしたいと思った時には「できる」のと
「したくてもできない」のでは、とんでもなく大きな違いです。
異性愛者にとって結婚が選択肢の一つであるのと同じように、
同性愛者にとっても選択肢の一つになってほしいと私は思っています。

でも、同性婚に反対する人は多い。なんででしょう?

しょせん私は賛成の立場の人間なので、よくわからないのですが、
論理的帰結として反対を語る人は少なくて、「昔から結婚は男と
女の間で行い、子供を作るものと決まっている」「聖書にそう
書いてある」というような、「う~ん、それってどっかから借りて
きただけでしょ?あなた自身はどう感じてるか、自分の言葉で
話してくれない?」とつっこみたくなるような語り口が多いように
思います。

なんというか、こう、自分が昔から慣れ親しんだ世界が壊されることが
ものすごく怖くて、でも「こわい」って言えないから、「古来」「伝統」
「神様」「既存の法律」とかの権威を借りてきて、相手をねじ伏せようと
している、って感じ。

私は心理学をやっているのでこんなゥ方になっちゃうんですが、感情の
問題のような気がするんです。
「慣れないもの/よく知らないものはこわい」っていうような。

同性愛を認めることは、自分がよく知らない=怖いものに直面することだから、
できる限り避けたい。逆に言えば、差別をすることの大きな利益の一つは、
未知のものと接触して自分が揺さぶられなくてすむ、ということだと
思います。

「未知のものへの恐怖が、いろんな形の<差別>の原因のひとつだ」と、
去年あたりミンデルが授業で言っていたのを思い出します。
(ミンデルは私が学んでいる心理療法プロセスワークの創始者です)

同性婚については政治的社会的経済的「科学的」もろもろ的見方が
もちろんさまざまにあって、そのどれもが一面の真実をついているの
でしょう。私の書き方は、とても単純化しすぎていると思います。

ただ、直観として、同性婚は今後世界中でだんだん認められていくのでは
ないかという感じがしています。国連でも特別委員会が設けられて討議
されているというし。みんなが少しずつ「同性婚って、あってもおかしく
ないよね?」という感じに慣れてきたら、ほぼ確実に、変わるんじゃないかな。

だって、少なくとも私には、同性婚によって誰かが現実的に解決不可能な
不利益をこうむる場面というのが、想像できないんですもん。
まあ、感情の問題だからこそ、一筋縄では解決できないかもしれませんけど、
もし「未知への恐怖」が大きな問題なのだとしたら、慣れの問題なのでは
ないかとも思うんですね。

というわけで、これを読んでくださった方が、少しでも「ふーん、同性婚って
わりとふつうのことかも?」と思ってくださったら嬉しいなと思いつつ、
今回はこれにて。

とにもかくにも、人が人を愛し愛されること、それを周囲が祝福することが、
いろんな場面でできる限り可能になっていけばいいなと、私は願っています。
幸せって伝染するから、人が幸せだと私もおすそわけがもらえるんですもん(笑)

 
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