ご報告が遅くなりましたが。
5月18日に、無事PWCPのディプロマプログラムを
卒業いたしました。
その後5月は浮かれて過ぎ、6月は疾風怒濤の仕事に追われ、
それが終わってほっとしたついでにぼーっと7月は過ぎて、
気がついたら二ヶ月が飛び去っていました~。
それなりにネタもたまっているのですが、まずは、
以前予告した卒業試験のご報告です。
3日間かけて、8つの試験がありました。
1)身体症状、2)ビデオ分析、3)変性+極限意識状態、
4)関係性(カップル)のワーク、5)自分の葛藤のワーク
(セラピストとしての自分が誰かとの関係性の葛藤を
ワークするというジャンルがPWにはあります)、
6)グループワーク、7)個人クライアントのワーク、
8)インナーワーク
各45分で、試験官は各科目二人ずつ。
もう一人、フェイズ2学生が一人、学生の立場から試験が
公平に行われるかを確認し、受験者をサポートするために
立ち会います。
この役割はバイシッツアーとドイツ語で呼ばれています。
プロセスワークの学習システムがスイスで始まったことの
名残ですね。
受験者がクライアントを試験に連れてきてその場で30分ほど
ワークし、残り15分で試験官からフィードバックをもらうのが
基本的な形式です。
ビデオ分析のみクライアントがいないので、時間が30分で
試験官も一人になります。
最後に「試験ミーティング」1時間があり、試験中に終わらなかった
フィードバックや、無事卒業したことへの祝福などを行います。
試験ミーティングのファシリテーションは、新ディプロメイトとしての
初仕事と定義されています。
試験ミーティングに限らず、クライアントを確保したり、
試験官に事前にコンタクトして彼らの意図を確認したり、
人によってはPWCPのどの部屋が使えるかの確認まで、
試験全体をうまくオーガナイズするのは受験者の責任です。
そこには、「それができなければ一人前のディプロメイト
として認めない」という、PWCPのかなりタフでスパルタな
教育方針が如実に現れていますね。
もし試験官とトラブルがあったら、その解決も受験者の責任です。
試験科目に「自分の葛藤のワーク」があるくらいで、
PWは関係性のスキル、とくに相手と葛藤状態にある時の、
自分のアウェアネスが最も落ちる時のファシリテーション
スキルの育成を重視しているんですね。
もちろんいつも100%できるわけじゃないし、あんたそれでも
プロセスワーカーか、という対応をする人も(私を含め)
多いんですが(汗)、試験を含めたどこかの一時点ではできた、
ということが重要なんです。
特に、グループファシリテーションには大切なスキルなので。
試験の内容自体は、前にも書いたように通常のスーパービジョンと
さして変わりません。
試験で運悪くひどいセッションを披露してしまったとしても、
卒業はできます。
暗記物ではなく、すでに身についたスキルやメタスキルしか
お見せするものがないので、逆に直前の詰め込みなどの
必要がなく、とっても気が楽です。
というのが、05年春現在のシステムです。
PWCPのシステムは常に変化しているので、来年には
また新しい形式が加わっていると思いますけど~。
学びの観点からいうと、ふだんと違うスーパーバイザーから
フィードバックがもらえるのが面白いところです。
長年指導してもらっているスーパーバイザーとの間で
ワークしている点を、たった一回の30分のセッションを
見ただけでも、やっぱりみんな突いてくるんですね~。
さすが先生たち、みんな見る目があるなあと改めて思いました。
(まあ何事にも例外はありますが、それも多様性ってことで(笑)
実は個人的には、試験自体より、バイシッツアーをしてくれた
友だちの家に集まって毎晩パーティをしていたことのほうが
意義深い経験でした(笑)
その友人はアイルランドの人なのですが、その彼女の友達が
ちょうどアイルランドから訪問中で、試験中なら夕食を作って
あげる、と毎晩夕食に招待してくれたんですね。
ついでに他の友だちたちも来て、3日続けておいしいものや
おしゃべりや飲めや歌えの大宴会を夜中まで楽しんでいました。
このプログラムで得たものは、プロセスワークの学びも
もちろんだけど、この友人たち/コミュニティもほんとうに
大きいんですね。
日本に帰って物理的に遠くなると、これを維持するのが
難しいのは目に見えていて、それがとても残念なのですが。
来年4月末にオーストラリアで行われるワールドワーク
セミナーが、私たちの同窓会になりそうです。