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かなねこめがね
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ご意見ご感想などいただけたら幸いです。
お返事は書けないかもしれませんが、
大切に読ませていただきます。
E-mail:cafekohan@aol.com
 
  
タンゴ!
   

   コメント:0   トラックバック:0    Date:2005-07-28   

  

前にもちらっと書きましたが、香苗は今タンゴにはまっております。
ええ、団子ではございません、踊りです。
アルゼンチン・タンゴ。

映画「Shall We Dance?」とか「タンゴ・レッスン」とかで、
けっこうご興味をお持ちの方もおありかと思うのですが、
いかがでしょう?

実は去年から友だちがはまっているのを横目で見ていて、
「え~、男性がリーダーで女性はフォロワー(ついて行く人)って
決まってるの?それで女性は男性から誘われるのをただ待ってるの?
すごいマッチョじゃ~ん。
知らない男性とあんなに体を密着させるのも気持ち悪いし~」
などと言っていたのです。

実際、去年一回だけ行ってみたビギナーズ・レッスンは、
ぜ~んぜん楽しくありませんでした。
唯一先生に踊ってもらった時だけは「おおっ?いいかも??」と
思ったのですが、初心者と踊ってくれる上級者なんていないだろうし、
上級になるまで下手同士のぎこちなさをがまんするのもな~、
と思って以後行きませんでした。

しか~し。
やはり踊りの道は奥が深い。

2月に、US国内のみならずカナダやアルゼンチンからも
うまいダンサーがたくさん集まるフェスティバルがあるよ、
というので、うまい踊りなら見てみたいな、と軽い気持ちで
行ってみたら。
もう、ほんとうに、「すごい!きれい!」な踊り手ばかりで、
踊り好きの血がざわざわと騒ぎました。

で、早速靴底がするする滑る靴を購入(中古品屋で$1という、
タンゴの神様から「やれ!」と言われたような掘り出し物)、
「プラクティカ」(自由練習の場)に行ってみたところ。
上手いリーダーが親切にも踊ってくれて、タンゴの醍醐味を
がっつり味わってしまいました。

とはいえ、その後首を痛めたり、卒業試験の準備もあって
なかなか行けなかったのですが、卒業試験が終わった翌週から
すぐにクラスをとり始め、「プラクティカ」(自由練習の場)や
「ミロンガ」(バーとかダンススタジオでタンゴが踊れる夜)にも
出るようになり、今や週に3回は踊りに行っています。
もう立派にタンゴ・アディクト(依存者)です。

そしてなんと、香苗のふだんをご存知の方には驚いて頂けるかと
思いますが、生まれて初めてハイヒールも購入!

タンゴ専用のダンスシューズは、リーダー、フォロワーともに
靴底が滑ることが大事なのですが、特にフォロワーは爪先立ちに
なるので、ハイヒールのほうが踊りやすいんですね。
(正確にはつま先でなく、親指の下の盛り上がったところですが)

かてて加えて、タンゴ用にひらひらラメラメの化繊の服なども
着るようになりました。

40有余年を、靴は平底ウォーキングシューズかスニーカー、
服は天然繊維(たいがい木綿)、装飾ほとんどなし、で
過ごしてきた私にとって、これはあまりにも大きな
アイデンティティチェンジです。
が、そのエッジをいとも簡単に乗り越えさせてしまうところが、
アディクションのなせる技。

(まあ香苗個人史的には、ジャワ舞踊最盛期のエスニック調
 ど派手な一時期もありましたが、裸足で木綿でしたし(笑)

何にアディクトするかというと、陶酔/変性意識状態です。

二人でお互いの遠心力を利用することで、一人でやるには
とても大変な動きが軽々とできてしまう、というのが一つ。
遊園地に行かなくても、ジェットコースターやメリーゴーラウンド、
あるいはカップ&ソーサーのハンドルを思い切りぐるぐる
回した時のような回転やスピード感が味わえるんです。
(「カレシータ(メリーゴーラウンド)という名前の型が
あるぐらいです)

もう一つは、相手とのコミュニケーション。
といっても、お互いの考えや感情を理解し合うための
通常のコミュニケーションではありません。
相手がどう動き、自分がどう動くか、同調したりひねりが
入って驚いたり、に意識が集中します。

そうすると、通常の頭を使った意識状態から何も考えない状態、
フォロワーはほとんど瞑想状態に移行し、個々人を超えた
より大きなものと踊り踊らされる感覚になってきます。
ほとんどスピリチュアルな体験に近い感覚が生まれるんですね。

こうなると、相手がどんな人間かはあんまり関係なくなってきます。
通常の人間関係ならチェックするはずの、相手の人格とか
外見のかっこよさとかは二の次で、踊りが上手いかどうか、
踊っていて気持ちがいいかどうかがポイントなんですね。
なので、初対面でも何でもOKになってくるんです。

そのために、ほとんど毎晩踊り場で会っていても、相手の
個人的な生活はほとんど知らない、ということにもなります。
多少関係性のスキルがなくて通常の人間関係ではシャイな人でも、
特にリーダーは、踊りさえうまければ人気者になれるので、
かなり楽でここちよい場かもしれません。
そういう意味で関係性を求めてくる人も多いようです。

もっとも、踊りの曲は3分間、それを3曲続けて踊ったら
別のパートナーにチェンジ、という不文律があって、
ぼーっと陶酔した状態に健全な(?)切れ目がきちんと
入るようにもなっています。
そのへんは、薬物とかと違ってほどのよい依存だと思います:)

ただタンゴは、リーダーにとっては簡単な踊りではありません。
フォロワーなら、自分が初心者でも、リーダーさえ上手ければ
すばらしい踊りが楽しめますが、リーダーのほうは、
いろんな微妙なステップを覚えて練習して、自信を持って
ナビゲートできるようにならないと、ほとんど動けません。

なので、初心者クラスには男性も多いのですが、
上級レベルになると女性のほうが多かったりします。

でも、私としては、もう少しでフォロワーが一通りできるように
なる感じなので、その後リーダーの練習もするつもりです。
やっぱり、誘われるまで待ってなきゃいけない、踊りたいと
思った時に踊れないというのは、性格的に無理があるし(笑)
何よりリーダーのほうが踊りとして面白そうです。

唯一気がかりなのは、日本に帰ってからの料金です。
ポートランドでは一晩踊って$5、クラスが4回$35、
個人レッスン一回$40、が相場なのですが($1=¥110)、
東京では一晩¥3000~5000と聞きました。
それでは週に一度も行けないかも~。

ううーん、自分で公民館でも借りてプラクティカやろうかな~。

  
  
       
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